逮捕された決済サービス会社ワイヤーカードのマークス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)は、独自のスタイルの洞察力を持つ人物だった。  ハイテク会議の常連で、最近では故スティーブ・ジョブズ氏ばりの黒タートルネックを身に着けていた。ブラウン氏は決済、ビッグデータ、人工知能(AI)に関する全般的な予想で知られるようになっていた。  ワイヤーカードは会社の資金19億ユーロ(約2288億円)が行方不明になっていると監査法人から指摘され、ブラウン氏はCEOを辞任。それまでの実績に疑問符がついている。長らく会社の顔であり、最も熱心に同社を売り込んできたブラウン氏は筆頭株主でもある。