![「ひらめき」を作るには?芸術的創造はどこから産まれるのか](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/2/4/650/img_24ffb2b8a4b7741036202812dbe210fb246664.jpg)
子供から「赤ちゃんはどこから産まれるの?」と
訊かれたら、どう答えるか
子供から「赤ちゃんはどこから産まれるの?」と訊かれたら、どう答えるだろうか。一般的には「コウノトリが運んでくるんだよ」と答えることになっている。本書『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』のテーマである芸術的創造も神聖化されることが多い。しかし本書は、黙ってお母さんのお腹を指さすアプローチだ。「芸術的創造がどこから産まれるのか」について、最新研究に基づき核心に迫っているのである。
![『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』書影](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/200/img_f53df123407e6d1427075a3e221033c217704.jpg)
様々なレビュアーが、次々とノンフィクションを紹介していくHONZ。そこで気になった本を読んでいくと、幅広い知識に触れられる。そしてそれは、睡眠などを経て潜在記憶として蓄積される。本書の最終章では、そういった潜在記憶と創造性の関係を展望している。楽しみながら蓄積された記憶から創造が生まれるとは、なんとオトクなことなんだろう。
著者自身、8歳から作曲を学びその後も様々な音楽理論を学んできたが、即興演奏が得意だったという。即興の源は、理論とは違う何かである。そして今、外来的な論理ではなく内面的な経験・体験・感性を重視する手法で、神経生理データから脳の創造性をモデル化する研究を行っているというから面白いではないか。本書の趣旨について、こう説明する。