ジョブズが築き上げた帝国を打ち破った”スウェーデンのIT企業”の実態とは?
スポティファイはたった10年で、レコード会社を違法コピーの嵐から救出し、音楽業界の未来図を描き、あの世界最大のアップル社に事業モデルの変更を迫る存在となった。iTunesは、楽曲をCDでセット販売という常識を覆し、バラ売りできるようにしたが、スポティファイはストリーミングを広めることでさらに一歩先を行き、ユーザーの好みを予測する新技術を確立した。スウェーデンの小企業が、ポップカルチャーにこれほどまで大きな影響を与えたのは前代未聞である。
スポティファイのユーザーがよく聴いているのは同社が作成したプレイリストだ。ユーザーが好みの曲を選んでいくと、それを元にラジオ機能で似たような曲を集めてリストを作成する。同社のアルゴリズムと「ヒューマン・エディター」は、好みが似通った何百万という人々のデータを解析してそこに共通項を見出すと、瞬時に世界で唯一の音楽体験を提供する。この体験がどういったステップを踏んで、どういった流れで提供されているのかに思いを馳せるユーザーは稀であろう。そういうふうになっている、ただそれだけ。ユーザーはユーザーであればよいのであって、スポティファイはユーザーの生活を大きく変えるという使命を持つ。
ヨーロッパ最大のIT企業「スポティファイ」は2006年、ストックホルムの南、ローグスベードで設立され、2019年秋、音楽ストリーミング分野で世界最大の企業となった。利用者は79ヵ国、2億3000万人以上に及ぶ。ウォールストリートでは約2700億クローナ(約3兆円)の値がついた。あのH&Mと肩を並べる額である。同社はスウェーデン発グローバル企業の仲間入りを果たした。だが、この13年間、まったく利益が出ていない。現在に至るまで山あり谷ありだったスポティファイ。その身の上にどのような艱難辛苦が降りかかったのだろうか。
本書『Spotify(スポティファイ)』は、謎に包まれたスタートアップ企業が世界最大企業に成長し、ウォールストリートで華々しく上場するまでの非公式ノンフィクションである。独学のコンピューターおたくのダニエル・エクと共同創設者マルティン・ロレンツォンが投資家と交渉を始め、メンバーを集めて技術を確立したのはいつ頃なのか。本書では、知られざるヒーローの足跡をたどる。また、同社を目の敵にしているレコード会社から強敵スティーブ・ジョブズまでが、なぜ最終的に無料で音楽聴き放題という同社のビジョンにタダ乗りしたのかを追う。
【書籍のご案内】
スウェーデン発のIT企業が、
なぜジョブズが築き上げた帝国を
打ち破ることができたのか?
Spotify CEOダニエル・エクの
極秘の素顔を明かした、
世界初にして唯一の書。
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