Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyなど、月額定額制の音楽配信サービスが日本に登場して10年足らず。音源を手に入れるためにCDショップに足しげく通っていた時代と、すべてスマートフォンで完結してしまう今とでは、音楽の楽しみ方はだいぶ様変わりした。カセット、CD、MD、MP3プレーヤー、iPodを駆け抜けて現在のサブスクに至るまで、今昔プレイリストの変化を振り返ってみよう。(清談社 松嶋千春)

音楽は“所有”するものから
“共有”するものへ

スマホで音楽を聞く女性
昨年から、椎名林檎やミスチル、宇多田ヒカル、ユーミンなど、大物アーティストも次々とサブスク解禁となっている Photo:PIXTA

 CDをレンタルし、カセットやMDに移す時代を経て、iTunesでプレイリストをつくり、iPodに移して持ち運ぶ時代へ。さらにスマートフォンへ機種変更し、月額定額制(サブスクリプション、以下サブスク)の音楽ストリーミングサービスに加入する時代に――。この20~30年間で音楽を視聴するツール、とりわけ持ち運ぶためのツールは目まぐるしく変化してきた。

 Spotifyの音楽プレイリスト共有プラットフォーム「DIGLE(ディグル)」を提供する株式会社CotoLab.(コトラボ)代表の西村謙大さんも、そのような音楽体験をしてきた世代のひとりだ。ツールとともに、音楽の聴かれ方はどう変わってきたのだろうか。

「従来はカセット、CD、MDなど、音楽をモノとして所有していました。MP3プレーヤーが登場してからも、1曲数百円でダウンロードしたり、CDをレンタルしたり買ったりして音源を入れる必要があったので、まだまだ自分のコレクションの範囲内で音楽を聴く側面が強かった。好きなアーティストや曲はじっくり聴くけれど、それ以外のアーティストや楽曲に触れる機会は少なかったと思います」(西村さん、以下同)

 サブスクのストリーミングサービスの登場によって聴ける楽曲の数も幅も広がり、新しい楽曲や興味のなかった音楽に触れる機会が従来よりも圧倒的に増えたという。

「サブスクでひとつ特徴的なのは、プレイリストの文化じゃないでしょうか。カセットやMDだと1回曲を入れると並び替えが難しかったけれど、サブスクなら曲の入れ替えをすぐにできるし、新しい曲が出たらどんどん追加もできる。このように自由度が上がったことによって、発信もしやすくなり、プレイリストを通じて色んな文脈で音楽を届けられるようになったのかなと思います」