オリンパスの映像事業を買収する投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)は、ソニーのパソコン事業の買収で名を上げた純日本製ファンドだ。今度はデジタルカメラで、またも衰退する日本のエレクトロニクス事業の再建に乗り出す。勝算はあるのか。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
墜ちたデジカメ事業に
投資する不可解
「今さらカメラなどを買ってどうするつもりなのだろう」。オリンパスのデジカメ事業を買収する日本産業パートナーズ(JIP)に、ある外資系投資ファンド幹部が冷ややかな視線を向けている。
それもそのはずだ。デジカメ市場は、スマートフォンの拡大で急減している上に、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しさを増している。特にオリンパスのカメラは小さなセンサーサイズを生かした小型・軽量が特徴で、手軽に持ち運べるカメラが求められる旅行やアウトドアのニーズが壊滅している。
オリンパスの映像事業は2011年3月期から赤字続きで、この間に黒字になったのは1度しかない。度重なるリストラで、12年3月期に1300億円あった売上規模は430億円まで縮小したが、それでも利益は出ずに、最後は再建を断念して売りに出された格好だ。
経験豊富な投資ファンドの同業者でも敬遠するデジカメに手を出すJIPとは、どんな投資ファンドなのか。