チェック項目(1)
受注高の情報開示取り止め

 第一にチェックすべきは、受注高の情報開示取り止めである。受注高とは、先行きの仕事量を金額で表す指標。受注高が増えれば将来の売上高が増えることになるし、逆もまた然りだ。設備投資に関連した業界では、多くの上場企業で公表されている。従って、四半期決算で受注高の数値を押さえておけば、将来の業績がどうなるかがあらかじめ分かる。

 受注高から売上高までのリードタイムが長い会社の場合には、必ずしも受注高のトレンド通りの売上高推移にはならないものの、受注高は企業業績の先行きをみる上で重要な数値といえる。

 しかし、不景気になってくると、受注高は経営者にとって最も出したくない数値になる。理由としては、売上高よりも先に景気の悪影響が数値として表れるのが受注高だからだ。また、上場企業の情報開示としては制度上、必須項目とはされていないものでもある。従って、情報開示を真っ先にやめたい項目なのだ。

 言い換えると、情報開示をやめるということは、それだけ業績が悪くなっている可能性がある、ということ。受注高と似たケースで、受注残高もある。また、受注高(金額)ではなく、受注台数など他の単位で情報を開示している会社もある。これらの指標の情報開示が突然なくなった場合には、注意が必要だ。

チェック項目(2)
月次情報の開示取り止め

 第二に、月次情報の開示取り止めである。月次情報とは、月次売上高や月次受注高、月次生産台数など、業績をみる上で参考指標になる情報のこと。例えば、4〜6月期決算の場合、4月と5月の月次情報が開示されていれば、4〜6月期の決算をある程度予測することが可能となる。

 月次情報は、上場企業のコーポレートサイトや、TDnet(ティー・ディー・ネット)と呼ばれる東京証券取引所が運営する適時開示情報伝達システム(Timely Disclosure network)に掲載される。ただし、月次情報の掲載は必須項目ではなく、上場企業による任意での情報開示である。継続するのもやめるのも上場企業の自由であるため、業績が悪くなってくると情報開示をやめてしまうリスクが増すことになる。