より大きいことが必ずしも良いこととは限らない。しかし、アナログ半導体市場では、規模の大きさは決定的な優位になる。過去数年間で規模を拡大しているアナログ・デバイセズ(ADI)が好例だ。同社は過去6年間で10社を買収しており、その中には2016年に約150億ドル(現在のレートで約1兆6000億円)で取得したリニアテクノロジーも含まれている。これらの買収によりADIは、電源管理や熱制御などさまざまな用途向けのプロセッサーであるアナログ半導体市場で2位に浮上した。だが、ADIの年間売上高はまだ同業テキサス・インスツルメンツ(TI)の半分にも満たない。TIは非常に強力な市場地位を保っており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で鈍化した業界の現状を、在庫を積み増してやり過ごす判断をする余裕があるほどだ。
米半導体ADIのマキシム買収、決定的な優位に
アナログ半導体市場では規模の大きさが重要
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