日本の防衛産業も弱体化するばかりだ。日本企業はかなりのものを造れる力がある。FMSでもせめて米国の研究開発に日本企業を一緒に参加させることを考えるべきだ。

 インターネットでもGPSでももともと軍事分野で研究していたものが民生転用された。米中やロシア、仏などは防衛部門に先行投資をして他国に負けない技術と装備を開発して、それを売却したり、民生転用したりして元をとっている。

 長年、日本は海外への武器供与も制約されてきた。企業にしてみれば、ユーザーが少ないので少量生産でコストのかかる製造ラインしかなくて、輸出をしても価格で太刀打ちできない。そのうえ装備品を全部、米国から買うのでは防衛関連企業は生きる道が閉ざれる。

 防衛装備の米国依存が強まれば、米国の方針が修正されたりすると日本の装備体系が大きな影響を受けることにもなる。日米同盟は大事だが、日本は独自の技術開発や装備調達をできるようにしておく必要がある。

 決定の仕方に不透明な部分があることも含めて、見直す時期だ。

ミサイル防衛は次の段階
IAMDを早期に実現

――イージス・アショアの配備撤回でミサイル防衛への影響は出ませんか。

 もともと計画通りに配備されても4~5年先だったので、海上自衛隊のイージス艦の負担が続くことにはなるにしても、ミサイル防衛に穴があくということにはならない。

 それにミサイル防衛は、イージス艦やイージス・アショアを固定配備して敵の弾道ミサイルを迎撃する時代から、巡航ミサイルやドローンなどの無人攻撃などにも対応できるように、陸海空や宇宙軍をネットワークで統合して臨機応変に動く「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」という考え方に移ってきている。

 レーダーや衛星、早期警戒機(E2D)などからの情報をもとに、敵がミサイルなどを発射する前後に遠隔操作の無人機や戦闘機からの攻撃や妨害電波などで無力化したり破壊したりするやり方だ。

 ミサイル防衛は米国を中心にIAMDになっていく。日本も陸海空が協力してIAMDを早期に実現する必要がある。

中国の軍拡などに対応
日米とインド、豪で連携

――政府は新たな国家安全保障戦略の議論を夏から始めて年内にまとめる予定です。議論すべき課題をどう考えますか。

 安全保障は最悪の事態を考えながら、国を守る体制を整備しないといけないが、今確実に言えるのは、中国が軍拡を続け覇権を追求する方向性は変わらないことだ。

 あってはならないことだが、中国が第一列島線を突破して攻撃をしかける事態にも備える必要がある。