渡部建氏
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お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建さんの「多目的トイレ不倫」は、許されぬ不倫行為に加え、1回1万円とも報じられた吝嗇ぶりがバッシングに拍車をかけた。恋愛において「ケチ」はトラブルのもとになりがちである。しかし、一方で、お金を節約してもケチと思われず、女性に好かれる男性も少なくない。その差はどこにあるのだろうか。(作家・社会学者 鈴木涼美)

お金がなくても
恋愛は楽しめる

「初デートがフードコートだった」「同伴でチェーンの激安店に行った」「誕生日もラブホテルで休憩だった」「ホテル代の割り勘は嫌だ」「ラブホのポイントカードは貯めないでほしい」「微妙なブランドのバッグもらった」「割り勘で数十円高く払っただけのくせに恩着せがましかった」「飲み会の費用を後日振り込みで請求された」「高くない店なのにドヤ顔された」…などなど、女同士で話していると男のケチ・コンプレイニング(不満)を聞くことがよくある。

 かといって、時代はバブルであるまいし、そうそう恋愛にばかりお金を使ってもいられない上に、先述のような文句を言っている女性たちも、現実離れした散財を求めているわけではないことがほとんどだ。別に貧しさや安さ、節約を憎んでいるわけではないが、「ケチ」な性格は憎まれる。逆に言えば「ケチ」に思えなければ、お金などなくとも恋愛は楽しめる。

 当時6人グループだったSMAPが「愛さえあれば何も要らないなんて全部ウソさ」と愛とお金について歌ったのは1993年、時代はバブル崩壊後の不況に喘いでいた。