「マウスを使わずにパソコンの操作をする」。最近、この「脱マウス」への関心が高まっている。シリーズ16万部を突破した『脱マウス最速仕事術』を執筆した森新氏は、その背景には、マウスとキーボードの間を手が幾度となく行き来する「時間のムダ」と「作業ストレス」の改善へのニーズがあると言う。森氏は独自に研究を重ね「脱マウス」のメソッドを開発し、年間88万回ものクリック数を削減、「年間120時間のムダ」を解消した。セミナーの参加者からは、「誰でもマスターできる!」と大好評だ。本記事では、好評だった記事のエッセンスを動画を使って森氏に解説していただく。(こちらは2020年8月4日付け記事を再構成したものです)

「マウスを使わない仕事術」があなたの時間を増やしてくれる

 いきなりですが、スマートフォン(スマホ)の話からはじめます。

 スマホって便利ですよね。なぜ、便利だと感じるのでしょう。理由の1つに、周辺機器がなくてもそれだけで使えることがあります。

 マウスはいらない、キーボードもいらない、スマホだけでデータの入力も操作も行えるから場所を選ばずに使える、これがスマホの長所です。

 一方、パソコンのほうもノートパソコンが小さく軽くなり、ちょっとした隙間時間に作業をしやすくなってきました。ノートパソコンがスマホに近づいていると言ってもよさそうです。

 このようにパソコンが進化していくなかで、私たちの使い方はそれに合わせて進化・改善できているでしょうか。

 残念ながら、昔ながらの使い方をしている人も多いようです。どんどん小さくなるノートパソコンのメリットを最大限に生かすには、どこかのタイミングで、マウスなどの周辺機器がなくても操作できるように、ユーザー自身がスキルアップしなければいけません。

エクセルで発覚! 仕事が「できる人」と「できない人」を一発で見分ける方法【動画で解説】「ショートカットキーMAP 全体まとめ」拡大画像表示

 テレワークの普及、IT技術の向上によって、いつでもどこでも働ける環境に近づいてきています。このような働き方の多様性を生かすという意味からも、マウスなしで、どこでもパソコンを操作できるという選択肢を持つことは、これまで以上に重要になってきています。

 マウスを使わないことでパソコンの操作時間を短縮し、仕事の時短につながることも見逃せません。マウスを使わない習慣を手に入れれば、働き方の選択肢が増え、あなたの可処分時間が増えるのです。

 私の場合、本書の技術によって、1日当たり「5000クリック」していたのが「1000クリック」まで減らすことができました。1クリック0.5秒と仮定すると、年間120時間の時短という計算になります。

 セミナーの参加者のいろいろな声を聞いていても、もちろんその人の業務内容によりますが、平均すると、年間120時間程度の時短が実現できるメソッドであると私は考えています。

 さて、これからマウスを手放す方法を説明していきますが、さすがに明日からすぐにマウスがいらなくなるというわけにはいきません。

 この本では、段階的にマウスへの依存度を減らしていって(マウスダイエット)、最終的にマウスを使わない「脱マウス」に到達することを目指します。

 なお、アプリケーションソフトによっては、キーを使うよりマウスのほうが操作しやすく手早いものもあります。これについては脱マウスではなく、マウスダイエットのレベルをゴールとします。

★著者インタビュー「だから、この本。」★
第1回 オフィスワーカー全員が「脱マウス」すれば、日本の生産性は急上昇する
第2回 なぜ、よく使うショートカットキーは“キーボードの左側”に集約されているのか?
第3回 エクセルで発覚! 仕事が「できる人」と「できない人」を隔てる決定的な差とは?
第4回 “Ctrl”や“Shift”ってそういう意味だったのか! 話題の「ショートカットキー記憶術」が抜群に役に立つ理由