まず、「コロナ感染拡大前に比べ、一番大きく変わったと感じことは何ですか?」と聞いてみた。

 ある現地のコンサル会社役員(男性・40代)は、マスクの着用を第一に挙げた。

「まず、一番実感しているのが、やっぱりマスクの着用だ。今では、マスクが必需品になっている。車の鍵を忘れても、マスクは忘れることがない。街では、マスクを着けていない人もかなり増えているが、地下鉄に乗るときやショッピングモールに入るときなど、マスクの着用が義務付けられている。それら以外に、個々の意識にもよるが、われわれビジネスマンは必ず着用するよう心掛けている。相手に対してのマナーでもある。マスクなしでは逆に気持ちが落ち着かなくなった」

 筆者はそれを聞いて、思わずほっとした。

 なぜなら、これまで、日本のビジネスマンを中国現地の会社に案内するときに、マスク姿の日本人を不可解な目で見る中国人が多かったからだ。当時の中国人から見ると、マスク姿は異常であり、「失礼な行為」と感じる人も少なくなかった。筆者はどれだけ習慣の異なる日本人と中国人の板挟みになったことか。

 商談が始まる前に、まずマスク着用の理由を説明しなければならなかった。日本ではマスクの着用はごく普通であり、マスクは「日本の文化」であると言っても過言ではない。風邪気味だったり、花粉症防止、また中国に来たらPM2.5を気にする人がいるためなど、それなりの理由がある。ゆえに、これまでは、中国では「マスク姿の人=日本人」のイメージだった。

 アフターコロナの今、中国の人たちも「マスク習慣」を身に付けたと思うと、うれしくなった。マスクの着用以外にも、手洗いや消毒も習慣化しているようである。

 前述の男性は、続けて指摘した。

「マスク以外に、手洗いと消毒習慣が定着した。今は状況が良くなってきているとはいえ、秋や冬になると、第2波、第3波がまたやってくるかもしれないので、コロナと長期的に共存していく中で、『マスク、手洗い、消毒』という3つの行為は常態化していくだろう。マスクを着用し続けているのは、どこかに不安が残っている表れでもあると思う」

 また、コンペティション会社・企画(女性・30代)は、コロナの前より、健康に対する意識が間違いなく高くなった点などを述べている。