スパイのスキルは「ビジネススキルの宝庫」だった!すばらしい実績を残したCIA諜報員におくられる賞を約10年の在職中に2度も受賞した著者が、訓練で身につけたそのスキルの中から、ビジネスでも使える実践的な技を教える『超一流の諜報員が教えるCIA式 極秘心理術』がついに発売。
 佐藤優氏「競争に勝つための表技と裏技が盛り込まれた、強いビジネスマンになるための必読書」と絶賛する同書より特別に一部公開します。(初出:2020年8月7日)

元CIA諜報員が教える「ウソをついている人」の特徴【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

うなずきはウソをつかない

 うなずく動作には、滑稽なまでに本心があらわれる。詐欺行為を見破る訓練を受けてきた諜報員なら、かならずこの動作に気づく。ときには我慢できずに笑いだしてしまうほどだ。ことほどさように、首の動きは真実を物語る。

 たとえば、あなたがクッキーの缶をあけたところ、なかが空っぽだったら、「クッキー、食べたの?」とお子さんに尋ねるだろう。するとお子さんは、顔にクッキーのかけらがついているのに「食べてない」と言い張る。そんなとき、お子さんは思わずうなずいているはずだ。

 同様の光景を、みなさんはテレビでもご覧になっているはずだ。たとえば、ヒラリー・クリントンは例の不倫騒動があった頃、結婚生活について尋ねたところ、「ビルとはうまくいっています」と、首を横に振りながら応じた。

 同じことは、隠し子騒動で追いつめられた元上院議員、ジョン・エドワーズにもあてはまる。2008年、「胸を張って実父確定検査を受ける」と言ったとき、彼はあきらかに首を横に振っていたのである。

 同様に、応募者が面接の場で「同僚とトラブルを起こしたことなどありません」と説明しながらも、首を縦に振っていたら、その動作が彼の本音を示している。口頭では正反対のことを言っているとしても。ボディーランゲージの専門家であれば「自分が言っていることと、首の動きをかならず一致させなさい」と、アドバイスするだろう。

 だから、「いえ、逮捕されたことなどありません」と返答したとしても、首をゆっくりと縦に振っているのであれば、その相手はウソをついているのだ。