来季のベストのシナリオは?

 ラ・リーガ全体でドリブル回数だけでなく、ドリブル成功回数でバルセロナが誇るスーパースター、アルゼンチン代表のリオネル・メッシに次ぐ2位にランクされた時期もあるなど、いよいよポテンシャルを解き放ち始めた久保には、ヨーロッパ各国のクラブから熱い視線が注がれ始める。

 マジョルカとの契約は今シーズン終了とともに満了する。無念にも1試合を残して降格が決まったことで、来シーズンに久保が残留する選択肢もなくなった。そうした状況を見越していたからか、久保に興味を抱くクラブはラ・リーガ1部勢を含めて、実に30前後にのぼると報じられた。

 その中には、昨夏も獲得に動いたフランスの強豪パリ・サンジェルマンに加えて、イタリアのセリエAを代表する名門ACミランも含まれている。オフに入るとともに去就を巡る報道がさらにかまびすしさを増してきた状況下で、久保にとってベストの選択肢は何になるのか。

 最高のシナリオは、35試合に出場して4ゴール4アシストをマークしたマジョルカでのプレーを引っさげ、十分に武者修行を積んだという評価とともにレアル・マドリードへ復帰することだ。実際、中断期間中に応じたスペインメディアのインタビューで、久保はこんな言葉を残している。

「僕の夢ははっきりしています。白いユニフォームを着て(サンティアゴ・)ベルナベウでプレーするために今、マジョルカでいろいろなことを学んでいる。全ては自分次第ですけど、マドリードに居場所はあると思う。素晴らしい選手になって、マドリードで大きなことを成し遂げたい」

 サンティアゴ・ベルナベウとはレアル・マドリードの本拠地のこと。ただ、3シーズンぶり34度目の優勝を果たした最強軍団に居場所を築く上で、前述したEU外枠がハードルとして存在する。新シーズンも同じ顔ぶれに3枠が行使されるとみられる一方で、さまざまな報道も飛び交っている。

 例えば加入して2シーズンを終えたヴィニシウスが、スペイン国籍を取得する準備を整えたこと。実現すればEU外枠に空きが生まれるし、満足できる出場機会を得られなかったロドリゴが他のクラブへ期限付き移籍するという報道も、久保の復帰に対しては追い風となるだろう。

 ただ、ロドリゴがなかなかラ・リーガ1部のピッチに立てず、今年に入ってからはレアル・マドリード・カスティージャでプレーした状況は、久保が来シーズンに復帰した場合も十分に考えられる。

 ジネディーヌ・ジダン監督が採用する[4-3-3]システムで考えたとき、久保がプレーするのは前線の「3」の右か、あるいは逆三角形型で組まれる中盤の「3」の前方となるインサイドハーフとなる。

 前者には故障で不本意なシーズンを送ったベルギー代表のエデン・アザールが、満を持して復活を懸けたシーズンに臨むだろう。後者は、レアル・マドリードやラ・リーガのみならず、ヨーロッパ全体でも最激戦区となると言っていいほど、世界各国から精鋭たちが集ってきている。