こうして、儲からない分譲マンション事業ではなく、儲かりやすい賃貸マンションの1棟売りにデベロッパーはシフトしているのだ。今や分譲よりも賃貸の方が供給が多いデベロッパーも多い。

市場の勢力図が激変
「持ち家」の3つの選択肢

 コロナショックで首都圏の新築分譲マンションの2020年の供給戸数は、前年比で大幅に減りそうだ。私の予想は1.4~1.8万戸で前年の3.1万戸と比べて約半数だ。これは2000年代初頭、9万戸以上供給されていた時代の6分の1に過ぎない。

 ちなみに、9万戸時代は各駅で1年に1棟ほどの供給があったので、選び放題だった。しかしその6分の1となると、特定のエリアに住みたいと思っても供給がないという事態が一般的になりつつある。

 新築マンションの代替案の1つが、中古マンションだ。中古マンションの成約戸数はすでに新築マンションの供給戸数を逆転している。マンションを買っている人の半分以上は中古なのだ。たとえば、「南青山に住みたい」といった感じでエリアを限定して探す人は、今や中古で探すしかないほどだ。新築が供給される可能性が、限りなく低いからだ。

 そこで、その他の選択肢として浮かび上がるのが、新築の分譲戸建である。日本では新築信仰と言われるほど、「新築しか買いたくない」という人は多い。新築と中古の価格差は大きくないだけに、他人の手垢がついてないものを買いたい気持ちは理解できる。こうして、2019年の着工戸数は6万3360戸と、分譲マンションの供給戸数(3万1238戸)のすでに2倍となっている。