長く、新型コロナウイルスへの感染者の存在を否定し続けてきた北朝鮮が、ついに感染が疑われる事件が発生したと認めた。
日米など国際社会は、「感染者ゼロ」という北朝鮮の主張を信じてはいなかったが、なぜ、北朝鮮はここにきて、コロナ感染を認めたのだろうか。
感染は「韓国からの元脱北者」
“非常事態”を宣言
7月26日の朝鮮中央通信は、北朝鮮南西部の開城市で19日、新型コロナの感染が疑われる男性が確認されたことを伝え、24日に開城市が完全封鎖され、25日には朝鮮労働党の非常拡大会議が緊急招集されたという。
北朝鮮は、感染が疑われるのは韓国側から越境した「元脱北者」と説明している。
非常拡大会議で金正恩委員長は、「非常事態に直面した現実を重大に受け止めるべきである」と“非常事態”を宣言。同時に会議では、「越南逃走」事件が起きた地域の最前線部隊の手薄な警戒勤務実態が厳しく指摘され、部隊に厳しい処罰を行うことも決まったという。