これに関しては、従業員のマスク着用や換気の徹底のほか、「接触機会を減らす」取り組みも活発だ。

 東京都八王子市にある焼き肉店「焼肉あおやま」は、店内での接触機会を減らすため、「注文方法」を工夫する。顧客が自分のスマートフォンで店内に掲示されたQRコードを読み込み、表示されたページ上から商品を注文する「モバイルオーダー」の仕組みを採用しているのだ。

 紙のメニュー表や店内設置のタッチパネルに触れる必要がなく、また店員との接触機会も減らすことができる。焼き肉店を運営するプライズの本橋厚哉代表取締役は、「感染リスクに対する意識の変化もあり、スマホ注文を利用する顧客が自然と増えた。(店員がオーダーを取りに行くという)一つの作業工程がないだけでも顧客、店員がともに安心であるし、業務の効率化にもつながった」と指摘する。

 店内モバイルオーダーシステム「SelfU(セルフ)」の開発・提供を行うShowcase Gigの広報・高堂和芽氏は、飲食店などからの問い合わせは昨年から増加傾向にあったが、「コロナの影響を受けてさらに大きく増えている」という。今年4月の問い合わせは1月時の10倍ほどに上った。

「仕事飲み」今はほぼゼロ

 変わっているのは飲食店側のシステムやサービス内容だけではない。飲食店を訪れる顧客層にも変化が生じている。

 焼き肉店以外に東京都多摩地区で居酒屋を数店舗経営している本橋氏は、「会社の飲み会のようなものはほとんどなく、親しい友人同士や家族連れが多い」と指摘する。1組当たりの人数も少人数化の傾向にあるという。

 レストランを運営するエイ出版社の藤枝氏も「以前は平日ではほぼ毎日、近隣の会社に勤務する方による宴会が入っていた。それが今はほぼゼロの状態」と話す。また、コロナ騒動前は月に4~5回入ることもあったという「貸し切り」の予約もなくなった。貸し切り利用は通常と比べて利益率も高く、需要がなくなるのは大きな痛手だ。

「以前は月によっては、貸し切りや宴会による売り上げが全体の2~3割を占めることもありました。その分がそっくりそのままなくなった形なので、きついです」(藤枝氏)