なぜ「恐露病」はここまで国民に広がったのか

 どんな国でも近隣の大国は怖いが、そうだとしても恐露病は異常だ。やはり、正確な情報を持てなかったことが一因だと思う。当時のマスメディアは、新聞や雑誌しかない。そのマスコミも支局員を多数海外に配置していたわけではなく、情報は政府や軍発信に頼る部分が大きかった。

 当然、権力から出る情報は、バイアスがかかっている。しかも新聞は売り上げ至上主義だったので、国民が喜ぶ記事を書き、結果として国民を情報操作するかたちになり、間違った方向へ誘導してしまったのだ。

 ただ、もし日本という国が島ではなく大陸にあったら、つまりロシアや中国など多くの国と接していれば、百年以上前とはいえ、ここまで情報を操作するのは難しかったはずだ。そういった意味では、島国であることが、正常な判断を国民から奪ったといえるのかもしれない。

 とはいえ、国民にも責任の一端はある。当初はロシアを必要以上に怖がり、その後、勝てそうだと思った瞬間に態度を豹変させ、主戦論一辺倒になって団結して政府に圧力をかけたからだ。

 ちなみにこの国民の反応は、かなりコロナ騒動に似ていないだろうか。ウイルスが恐ろしいとパニックになり、マスクや消毒液を買いだめに走り、それをマスコミが大きく報道して煽りたてる。まるで恐露病の再来だ。

 さらに、海外に比べて政府の対応が悪いと騒ぎたて、仕方なく政府はマスク2枚の配布や定額給付金など、国民の圧力に押されて後手後手の対応をしていく。これも日露戦争の開戦過程に似ている。異常なほどの自粛警察の増殖も、「臥薪嘗胆」を思わせる。やはり歴史は繰り返すのである。

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