子どもの習い事は「楽器」が最高なワケPhoto: Adobe Stock

新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

楽器は子どもの「創造性」に火をつける

 アメリカのジョージア工科大学に音楽知能研究所を創設したパラグ・コーディア元教授は、音楽は数学や科学における「創造性の火付け役」になることを明らかにしています。

 また、音楽やアートは「人が生きることや人の心の基盤となるもの」だとコーディア元教授はいっています。

 ヴァーモント大学のジェームズ・ハズィアック医学博士らの研究でも、楽器の練習が子どもたちの独創的な表現力を育むのに大きな効果をもたらすことがわかっています。

 楽器の演奏は英語で「プレイ」という動詞を使います。楽器は遊びながら学べるものなのです。

 学校では副教科として扱われる音楽ですが、豊かな創造性を育むには欠かせない素養です。では楽器を上手に習うには、いつから、何を、どう習っていくのがよいでしょうか。

始めるのにいい時期は「5~9歳」

 南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校のロバート・A・カティエッタ教授によると、子どもの脳の発達を考慮すると、歌や音で遊んだり、音楽そのものに触れるのは生まれた直後からが望ましく、楽器のレッスンを体験してみるのは5歳くらいから、本格的に始めるのは6~9歳がちょうどよいそうです。

「ピアノ」を習う

 ピアノは両手を使い、10本の指それぞれに別の動きをさせながら、「いま演奏すべき音の情報」や「次に弾く音符の情報」など膨大な情報量を処理する必要があるため、感性をつかさどる右脳と、言葉や論理をつかさどる左脳の両方を大いに刺激します。

 そのためピアノはほかの楽器と比べて、計画性や社会性、問題解決能力、運動能力、言語能力といった知能を高められるといわれています。

「ヴァイオリン」を習う

 多くの子どもたちにレッスンをしているヴァイオリニストの西谷国登氏は、ヴァイオリンは気軽に誰かと一緒に演奏でき、練習で共演者とコミュケーションをとる機会も生まれるため、自然と社交性が養われるといいます。

 さらに、ヴァイオリンは小さく軽いので、いろいろなところに持ち運んで、ほかの人と関わって楽しめる楽器です。ピアノに比べると安価な点も魅力ですが、長く続ける場合には成長に応じて買い替えが必要になります。

ドラム、ギターを習う

 最近ではドラムやギターも習い事の楽器として人気です。ドラムは「叩けば音が出る」という気軽さから子どもになじみやすく、全身を使うので、運動能力がアップする効果もあります。

 ギターは、基礎の段階をクリアするまでが難しい楽器ですが、ポップミュージックを演奏できるという親しみやすさや楽器の値段のお手頃さも人気の理由のようです。

毎日「短時間」練習する

 練習は「無理やり」や「長時間」だと、子どもを楽器嫌いにしてしまいます。練習時間は子どもの集中力が続く「10分程度」で十分です。学習習慣と同様、ごはんやお風呂の前など、タイミングを決めておきます。

 また、ポジティブ心理学の第一人者であるミハイ・チクセントミハイ教授によると、練習に集中するコツは、「つねに目標をはっきりさせておくこと」。そしてその目標は、「難しくても練習すれば達成できるレベルのもの」であることが重要だといいます。

 自分がいま、何を目標にしているのかが理解できているなら、どこにエネルギーの焦点を合わせればいいかがわかり、集中しやすくなるのです。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)