白将軍の葬儀は国葬になると誰もが思ったが、実際には国葬にされず、第一国軍墓地と言うべき国立ソウル顕忠院でなく、「格落ち」というべき国立大田顕忠院に埋葬された。

 告別式には鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相や金有根(キム・ユグン)国家安保室第一次長などの政府要人も出席したが、アメリカのハリス駐韓大使や在韓米軍のエイブラムス司令官が参加した埋葬式にはともに参加しない冷遇ぶりだった。死んでもなお親日派の顔に泥を塗り続けようとするあたりに文大統領の不気味なほどの執念を感じる。

 前回の政権交代時も、これまで日韓関係を壊さないように軍や訴訟をコントロールしてきた者(主に保守派)には、むしろ罪を着せ最大限の恥辱を与えてから追い出している。朴槿恵前大統領についても、証拠不十分なままあまりに不釣り合いな刑罰を与えようとしている。文大統領は保守派に対しては徹底した冷血漢であり、理不尽なほど残酷である。

 徴用工訴訟は日本企業の韓国資産の現金化で賠償するという、日韓関係を根本的に破壊する可能性すらある最悪の結果をもたらした。それは文大統領がまさに「保守派を粛清する」ということにしか関心がなかったことが原因ではないか。

結果を考えない
文大統領の怖さ

 実は、文大統領はこれまで日本批判をさほど行っていない。日本批判の数だけなら、保守派で親日と言われる李明博(イ・ミョンバク)大統領や朴槿恵(パク・クネ)大統領のほうがよほど多い。これは「反日が倫理」、つまり「親日は反倫理」であるゆえに、保守派ほど反日姿勢を見せないと批判を受けるからであるが、それにしても文大統領は大統領選挙期間中と打って変わって、日本批判をしなくなっている。

 たとえば、今年3月1日に行われた三・一運動(1919年の代表的な抗日独立運動)の式典でも、徴用工訴訟には触れずに「新型コロナウイルスの危機を日本と共に克服しよう」と呼びかけている。独立運動100周年に当たる昨年も、独立運動の鎮圧で犠牲者が出たことを批判しながら、「日本とは協調すべきだ」と述べている。

 ただ、「親日の清算」という言葉は繰り返しており、文大統領の憎むべき敵が、日本でなく、国内の親日派=保守派である点は押さえておくべきだろう。