大学生が今限界に写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍に伴い、全国の大学で授業のオンライン化が急遽スタートした。だが、その移行過程で多くの学生から悲鳴が上がっている。アフターコロナに大学はどうなるのか、各大学の対応は、そして入試は?8月3日発売の週刊ダイヤモンド特集「コロナで激変!大学 入試・序列」では、大学側の対応をまとめるとともに、大学生へのオンライン授業に対しての思いを広くツイッターで募った。ここでは本誌に掲載しきれなかった大学生の叫びを紹介しよう。

「この先生は存在しないのでは」フィードバックなし、孤独で埋め尽くされるオンライン授業に悩む1年生が続出

「もしかしてこの先生って存在しないんじゃないか?この授業受けてるの私だけでは?と思うようになっていきました」

 今年ある私立大学に入学した1年生から、週刊ダイヤモンド編集部の公式Twitterアカウントにこのような悲痛なDMが届いた。

「私の大学はオンデマンド授業なので、録音や録画、レジュメだけ。教授に質問を送っても返信はなく、その返信で分からないことを再度聞くことはできない。講義がアップされなくて大学に電話したら4回目に『先生にメールの解放をお願いしたので直接やりとりしてください。学校には連絡しないで』と言われました。それでもアップされない日もあり先生にお願いのメールを送っても、返信は3日後まで来ませんでした」

 さらに苦しめられるのが、毎日大量に出される課題だという。「朝の9時から深夜の3時までパソコンと向き合う毎日です。レポートを提出した2時に確認したところ深夜の1時に違う科目がアップされていることを見つけ、2時からその科目の授業を受けました。寝ることが怖いのです。寝てる間に新しい科目が出てたらどうしよう。週末に休みという概念がなくなり、平日1~2回は早朝の4時30分まで課題をし、8時に起きてまた授業を受ける。家族が起きてきた6時30分にやっと寝て、8時に起きて授業を受けたこともあります。励まし合う相手がいないどころか、話せる友達さえいません。私のオンライン授業は孤独で埋め尽くされていました」――。

 8月3日から発売中の週刊ダイヤモンド特集「コロナで激変!大学 入試・序列」では、アフターコロナで対応を迫られる各大学の対応、来春の入試の状況について詳しくまとめている。

 コロナ禍に伴い、ほぼすべての大学がこの4月から一斉にオンライン授業に切り替えている。中でも注目すべきが、各大学のオンライン対応が、大学・教員によってバラバラであり、その過程で冒頭のようなトラブルと、学生への多大なる負担、そして混乱を招いているという点だ。スムーズにオンラインに切り替えて効果を生んでいるという大学がある一方で、大学の存在意義やそもそも入学した意味を見出せない、過重な負荷で心身の健康を害したという深刻な声が多く届いている。その中には驚くほど何度も、涙、心療内科、鬱、という単語が出てくる。1年生からの返答が約半数を占め、ある大学関係者は「今年度中に各大学から退学者が続出するのではないか」と危惧する。

「オンライン授業のメリットと課題が可視化された一方で、キャンパスに集まり学ぶことのかけがえのなさも浮き彫りになった。スクリーンに向かい課題をやることのみが“大学”になるのでは、学生がもたなくなることは明白だ。コロナ禍以前の状態に完全に戻すことは難しくとも、学生への精神的なケアや励まし、状況の変化に応じた学び方の刷新などの対策を強化しなければならない。大学トップも含めてアフターコロナの新しい大学の在り方を納得感ある形で明確に示していくことが求められているのではないだろうか」と同志社大学の浅羽祐樹教授は指摘する。

 8月1日までに編集部アカウントに届いた声は136通、合計8万字にも及ぶ。実にさまざまな声が寄せられた。次ページからは誌面で紹介しきれなかった、大学生の肉声をお届けしていこう。