コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
発売1ヶ月で10万部を突破した、樺沢紫苑氏による最新作『ストレスフリー超大全』では、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。
「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る――。
嫌いな相手を味方にする
会社の上司や先輩、あるいはママ友などにそっけない態度で接すると、仕事がやりにくくなる、人間関係が複雑になるなど、やっかいな問題に発展する場合もありえます。その場合は、「敵を味方にする」といいでしょう。
心理学で「ベンジャミン・フランクリン効果」というのがあります。
100ドル札の肖像画にもなっているアメリカの政治家、ベンジャミン・フランクリン。彼はペンシルベニア州議会の場で、あまり仲のよくなかった議員に、「本を貸してほしい」と頼み事をしました。本を貸した相手の議員は、フランクリンに対して親切な態度に変わったのです。
人間は行動と感情が食い違った場合、それを一致させるような心理が働きます。「親切な行為」と「嫌い」は矛盾します。「親切な行為」はすでに行ってしまったので変えられない。なので「嫌い」を「好き」に変えて、心の調和をとるのです。
つまり「人は、助けた人を好きになる」というのが、ベンジャミン・フランクリン効果です。嫌いな人を避けるのではなく、あえて「頼み事」「お願い事」をするのです。たとえば、マウンティングしてくる先輩に、「先輩、○○について教えてくれませんか。○○に関しては、うちの課で一番詳しいですよね」というように言ってみましょう。
嫌いな相手に対して、ほとんどの人は「反撃」するか「避ける」はずです。それは、「闘争か、逃走か」の扁桃体による本能的な反応ですが、大脳皮質を使うと「味方にする」という発想が出てきます。敵よりも味方を増やしたほうが、人生は楽になっていきます。
あなたがマウンティングされる真の理由
マウンティングするのは、相手に対して勝てると思っているからです。相手に対して、自分が優位に立ち、支配、コントロールできると思っているからです。あるいは自分と同程度なので、「潰しておきたい」という意識もあるでしょう。
つまり、「相手より下」か「同程度」と思われた結果、マウンティングされるのです。「絶対に勝てない」「支配できない」という相手に対しては、マウンティングしません。つまり、あなたはナメられているのです。
だから、今よりもレベルアップすることに考え方を切り替えましょう。
職場の人間関係であれば、仕事を頑張って、社内で一目置かれる存在になることです。マウンティングされて「悔しい」という気持ちは、「仕事を頑張る」「自己成長する」というエネルギーに変えていきましょう。相手に「こいつには敵わない」と思わせる日まで、自分のことに集中するのです。
あるいは、あなたがマウンティングされるのは、あなたの自己肯定感が低く、自分に自信がないことを見抜かれているからです。「自己肯定感」を高め、「自信」にあふれた、ポジティブな自分にステップアップするチャンスです。
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。
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