コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
 ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
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「普通」の評価を加える

「嫌い」という感情を減らすだけで、人間関係はものすごくうまくいきます。そのために、「嫌いをなくすワーク」をやってみましょう。

ステップ1
 身近な人、10人の名前を書く
ステップ2
 その10人に対して「好き(〇)」か「嫌い(×)」かの二択を記入する
ステップ3
 その10人に対して「好き(〇)」か「普通(△)」か「嫌い(×)」かの三択を記入する

いかがでしょうか。

数百人にこのワークをやってもらった結果では、好き嫌いの二択で人物を判断した場合、嫌いな人の数が平均して2~3人。そして、「普通」を加えた三択にすると0~1人に減りました。

「普通」という基準を導入するだけで、「嫌い」な人の数が激減します

顔も見たくないし、会いたくないし、話したくもない、本当に「大嫌い」という人は、たまに現れるかもしれませんが、それ以外は「普通」でいいのではないかという提案です。あるいは、「ニュートラル(中立)」と呼んでもいいでしょう。

「好き嫌い」の二者択一は、原始的な脳の「扁桃体」の条件反射です。私たち人類は他の生物とは異なり、「大脳皮質」を進化させ、じっくり考える論理的思考ができるように進化したのです

最近の脳科学研究では、言語情報(大脳からの入力)が「扁桃体」の興奮を抑制することがわかっています。「言語」で、扁桃体をコントロールできる。つまり、「じっくり考える」ことで、「好き嫌い」のレッテル貼りを修正することが可能なのです。

人を判断する場合は、「好き」か「普通」で判断していきましょう。「あなたが親しくしたい人」と「そうではない人」の二択です。この二択思考を身につければ、あなたの「嫌いな人」は、ほとんどいなくなります。

Photo: Adobe Stock

悪口を言わず、「良いところ」を探す

どうしても嫌いな人への対処法があります。それは、「悪口」を言わないことです。繁華街の居酒屋では、どこでも悪口大会が開催されています。悪口もアウトプットですから、繰り返してしまうと記憶を強化します。

悪口を言うことで、ストレス発散をしているように感じますが、実は逆の効果をもたらします。本来忘れていたような些細なエピソードを思い出し、相手の短所、欠点のイメージを強化します

結局、その人をより嫌いになってしまうのです。嫌いのスパイラルで、人間関係が泥沼の状態に陥るだけです。今のあなたの状況は、自らの悪口が原因であり、自分が招いた災いなのです。悪口を言わないだけでも、人間関係は変わります。

どんな人にも短所があれば、長所もあります。人よりも劣った点があれば、人よりも優れた点があるはずです。だから、あなたの大嫌いな人の「長所」を7個書き出してください

「そんなもの、あるはずない」と思うでしょうが、よく観察すれば、必ず見つかるはずです。
私たちは、嫌いな人を「見たくもない」と思っているので、嫌いな人を積極的に観察していないのです。あるいは、あなたが「短所」と思っているところの裏返しが、「長所」かもしれません

「細かいことを、いちいちうるさい」(短所)というのは「細部にまでこだわっている」(長所)になります。
嫌いな人の長所を7つ書き出せば、「大嫌い」が「まあそこまでではないか」と「普通」に思えてくるはずです。