新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で世界経済が停止に追い込まれた3月、資金が米国企業に向かうよう回し続けることは連邦準備制度理事会(FRB)の双肩にかかっていた。そして国外――米社債に投資する日本の銀行から、輸入品の代金を支払うために米ドルを必要とするシンガポールの貿易会社に至るまで――の多くの銀行や企業に流入する資金が途絶えたとき、FRBは再び介入した。FRBは貸し手として世界の後ろ盾になることにずっと抵抗してきた。だが、新型コロナが世界的に大流行すると、ドル供給に動いた。危機的な状況にあった3月半ばの2週間に、FRBはドルを調達したい投資家から過去最高額となる4500億ドル(約48兆円)の米国債を購入した。また各国の中央銀行を対象に、コロナ対策として4月までに約5000億ドルを貸し出した。
FRB、コロナ禍で世界の「最後の貸し手」に
世界経済が停止した3月、連邦準備制度理事会は各国中銀の後ろ盾となった
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