世界各国で4~6月期のGDP(国内総生産)や企業決算が発表され、新型コロナウイルスの感染拡大による経済的ダメージが明らかになりつつある。
リーマンショック時をはるかに上回るその大きさに驚くとともに、改めて株式市場の動きとのギャップをどう説明するのかを考えざるを得ない。筆者の見方は、世界中で外出規制を伴う対策が取られ、実体経済は減速を余儀なくされたが、政府の景気対策、金融対策で金融危機までには発展せずに踏みとどまっているというものだ。
よって、コロナ後の経済回復に自信が持てるようになるまでは、日本株はコロナ前の株価水準を上回ることは難しい、と考えている。過去2回の本欄では、3月の日経平均株価1万6552円からの戻りがあまりに早く大きかったので、企業収益が追い付く時間が必要だと述べてきた。