トランプ米政権がカナダ産アルミニウムに対する関税を再び発動することを決めた。北米の貿易障壁を引き下げる「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が約1カ月前に発効したばかりだが、早くも新たな動きに出た。トランプ氏はオハイオ州クライドにある白物家電大手ワールプールの工場で演説し、「米国の産業を守るためにカナダ産アルミニウムに対する関税を再発動する宣言に先ほど署名してきた」と発言。「カナダは例のごとく、われわれを利用していた」とし、「アルミニウム業界はカナダによって大きな痛手を受け、わが国の雇用やアルミニウム業界の素晴らしい労働者には不公平な状況となっていた」と続けた。主要な経済団体はトランプ氏の決定を批判した。米商工会議所のマイロン・ブリリアント上級副会頭は「(この関税によって)米製造業者のコスト負担が増える。国内のアルミニウム生産者の大半が反対している上、これまでと同様、米国の輸出品に対して報復措置が取られることになる」と指摘した。