米トランプ政権はレバノンの著名政治家や実業家に制裁を科す準備を進めている。首都ベイルートの湾岸地区で先週発生した大規模爆発を受けてレバノン内閣が総辞職し、政局の混迷が深まる中で、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラの影響力を弱める狙いだ。複数の米当局者や関係者が明らかにした。米政府は、少なくとも160人が死亡、数千人の負傷者が出た爆発を機に、ヒズボラとつながりのあるレバノンの指導者らをブラックリストに追加しようとしている。米当局者は、イラン政府が後ろ盾につくヒズボラと、その協力者との間にくさびを打ち込む機会だと考えている。ヒズボラは10年余りにわたりレバノン連立政府に参画。中東でイスラエルに対する最大の脅威とみなされている。