米アマゾン・ドット・コムはインターネット回線を提供する人工衛星群の構築に100億ドル(約1兆0700億円)余りをつぎ込む計画だが、想定される顧客を巡って業界関係者の臆測を呼んでいる。アマゾン傘下の宇宙開発会社は先月、今後9年かけて3200基超の地球低軌道(LEO)衛星を打ち上げる計画について、米連邦通信委員会(FCC)の認可を取得した。「プロジェクト・カイパー」と名付けられたこの通信網計画が進む道は、富豪のイーロン・マスク氏率いる宇宙開発ベンチャーのスペースXや、通信衛星ベンチャーのワンウェブなど、衛星ブロードバンド通信サービスの普及に努める複数のライバル企業が先行している。アマゾンはライバル企業に水をあけられており、衛星第1号の打ち上げもこれからだ。株式非公開のスペースXは今年すでに十数基の衛星を打ち上げた。同社は幾度かにわたり、ロケット事業と新たな通信網「スターリンク」を支える資金を未公開株市場で調達している。スペースXもアマゾンも、自社技術によってさらなるインターネット帯域幅を既存の衛星事業者より低価格で提供できると請け合っている。
アマゾンのインターネット衛星、将来像に疑問も
人工衛星群の構築に1兆円以上をつぎ込む計画だが――
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