中国の新型コロナウイルス用ワクチンが完成に近づく中、同国の高官や一部製薬会社は戦略的に重要な国々に早期のワクチン供給を約束し始めた。コロナのパンデミック(世界的大流行)で地政学的な結び付きが損なわれたことを受けて、中国は自国の国際的地位を高めようとしている。中国外務省はフィリピンに対し、中国製ワクチンの優先的な供給を約束した。民間企業の北京科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)はブラジルおよびインドネシアと、何億回分もの自社ワクチンの国内向け生産で協力することで合意した。開発途上諸国の中で中国と特に緊密な協力関係にあるパキスタンは、国内で中国医薬集団(シノファーム)によるワクチン臨床試験を認める契約を結んでおり、その一環として全国民2億2000万人の約2割がワクチン接種を受けられることになる。
中国外交にコロナワクチン活用、戦略的に供給へ
ブラジル・インドネシア・パキスタン・ロシア・フィリピンに優先的に供給する計画
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