「情報格差」がなくすことで、職場ストレスが減る

リモートワークのあらゆるストレスを減らすには―「段取り」で仕事は劇的に変わる水野学(みずの・まなぶ)
good design company代表
クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント
ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。
おもな仕事に、相鉄グループ「デザインブランドアッププロジェクト」、熊本県「くまモン」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、イオンリテール「HOME COORDY」、東京ミッドタウン、オイシックス・ラ・大地「Oisix」、興和「TENERITA」「FLANDERS LINEN」、黒木本店、NTTドコモ「iD」、農林水産省CI、宇多田ヒカル「SINGLE COLLECTION VOL.2」、首都高速道路「東京スマートドライバー」など。著書に『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』(誠文堂新光社)、『センスは知識からはじまる』『アウトプットのスイッチ』『アイデアの接着剤』(すべて朝日新聞出版)など、共著に『世界観をつくる』(朝日新聞出版)がある。

水野 人材についての機会損失は大きかったと思います。

これまで、妊娠したり出産したりすると、仕事が時短になったり、育休取ったりで、そのまま会社を辞めてしまう女性デザイナーがたくさんいました。残業の多い業界でしたし。

だから、本当は働き盛りの30代~50代の女性のデザイナーはすごく少ないです。けれども、そういう人たちがリモートワークになることで、働く機会が増えるんじゃないかなと期待しています。

それだけではなく東京以外の地元から上京せず働くことが容易になることも明らかになりました。

我が家の場合も、妻が子育てを担当してくれているため、これまでは、同じ会社で働いていても、なかなか夜のミーティングには参加できませんでした。

今は、大事なオンライン会議には音声だけ、耳で聴くだけという形で参加することもできるので、彼女が把握できる量が圧倒的に増えました。

全部が見える化し、社内の情報にアクセスすることが簡単にできるようになったことで、情報の非対称性みたいなのが解消されていったのは大きかったと思います。

――情報格差をなくすことで、職場のあらゆる人たちのストレスが減っていくように思います。子育てや介護をしている人たちの孤立化も防げそうです。

水野 そうなんですよね。情報共有をしたことで、これまで、「知らなかった」「聞いていない」といった自分に都合のいいミス、自分にやさしいミスがしずらくもなっています。

――前回の、信頼が大事だから約束は守らないといけないという話もそうですね。

水野 ごまかせなくなってしまっているので、やっぱり、「段取り」はより大切になっていると思います。

そういえば、リモートワークになって評価が上がった人がいますね。

――それはどういう人でしょうか?