リモートワークで社内評価が上がった人

水野 わかりやすいところでいうと、締め切りをしっかり守る人、集中するのが得意で、リモートワークの中で生産性が上がった人は評価が上がったように思います。

人は誰しも得手不得手があって、電話応対や来客対応をしながらクリエイティブなことに集中するのはどうも苦手という人もいたのだと思います。そういう人にとっては、リモートワークがプラスに働いたのかもしれません。

「あの人には、意外と任せられる」といった形で、権限移譲が進んだケースもあります。

――今までは仕事の境界線が曖昧でも、なんとかなっていたかもしれません。ところが、リモートワークになると、仕事の目的やゴール、メンバーの役割や納期などの「約束事」が明確になっていないと、仕事が進まないし終わりもしない気がします。

水野 そうなんです。リモートワークになって一番良かったところは、仕事の時間を、締め切りを明確に決めているという点です。

リモートワークの常態化で新たなストレス!?

――リモートワークが常態化する中で、新たに出てきたストレスもあるような気がします。たとえば、報告をわざわざオンライン会議でやる必要があるのか、メールだけでいいのでは?といったことなど。

水野 ありますね。実は僕らの仕事は相談することが多いのです。

デザインは、髪の毛1本分、右にずらしたほうがいいといった細かな指示をおこなうこともあるので。その一方で、今まではみんな忙しそうに職場で働いているので、直接相談しにくい雰囲気もあったのだと思います。それゆえ、質問をためにためて、1日に1回しか相談に来なかった。

今は仕事が「見える化」されているので、「自動相談システム」のようなものが出来上がって、こまめに相談が来るようになり、ストレスは軽減されました。相談の回数自体は変わってないのかもしれませんが、質問したい人たちが適切なタイミングで相談ができるようになったことは大きいと思います。

リモートワークになって、個々人の特性をより活かせるようになったと感じます。

たとえば東北地方に住んでいながらにして、グッドデザインカンパニーのスタッフといったことも、今後あり得ると考えると、可能性を感じます。

いずにしても、仕事に対する約束を守ること、信頼がより大切になります。

「段取り」で約束を守れる人になって、みなさんがご自身の特性を活かしてより良い働き方を実現され、より良い人生が送れることを願っています。