営業マンが学ぶべきこと
「奪う」から「与える」営業へ

 この話を聞いて「一般の営業活動とほぼ同じだなぁ」と思った。

 どんな商売であっても“売らんがための行為”をしても結果にはつながらない。やればやるほど嫌われるだけで、むしろ逆効果になる。

 どの世界でも、役立つ行為を繰り返す人が結果を出すものだ。私自身も“奪う営業”から“与える営業”にスタイルを変えたことで結果を出してきた。ダメ営業マン時代の私は「今契約が取れないから立場が苦しい。だからお願い!契約して」といったスタンスで活動をしていた。

 そもそも私の立場が苦しいことはお客様には関係ない。どんなに足を運ぼうが、どんなにお願いしようが売れるはずもなかったのだ。本当にバカだったと思う。

 トップ営業マン時代の私は、お客様にとって本当に役立つ情報を定期的に送っていた。

 私が扱っていた商品は住宅で、家づくりを考えているお客様に対して過去のお客様が失敗したり、後悔したりした例を編集して提供していた。

・もっと洗面所を広くすればよかった
・コンセントをもっと増やせばよかった
・窓をもっと大きくすればよかった

 などなど。

 多くの人は「他人が満足した例」よりも「他人の失敗例」の方が興味を持つし、何倍も役立つ。この情報提供が功を奏し、トップ営業マンとしての基盤になったのだ。

 このときは「この情報を提供したら契約が取れるのでは」といった打算的なものではなく「自分から家を建てなくてもいい、でもこれだけは知ってもらいたい」というスタンスで仕事をしていた。

“見返りを求めず価値を提供する”ということは簡単ではないが、きわめて重要な考え方である。ビジネスで結果を出すためにぜひ覚えておいてほしい。