B5シリーズは
今後、ボルボ各モデルの主力に

 時間の猶予がない排出ガス規制に対し、有効なソリューションとして注目されている技術が、低電圧で作動するマイルドハイブリッドシステムだ。減速時の回生力で起こした電力を小容量の専用バッテリーに一時的に蓄え、次の加速時に活用する。エンジンの負担軽減を図って燃費の向上(CO2の削減)につなげる――これが“省エネ”の基本的な考え方となる。“ボルボ初の48Vハイブリッドパワートレーン”と紹介されるB5は、マイルドハイブリッドシステムを採用した1台。試乗車はXC60・B5の上級グレード、インスクリプションだ。

 ベルトによってスタータージェネレーター(ISGM=モーター機能付き発電機)と結ばれた2Lガソリンエンジン(250ps/350Nm)は、ほぼB5専用設計。一定の軽負荷領域で作動するボルボ初の気筒休止メカを採用するほか、ターボチャージャー/排気系の変更やフリクションの低減、マウントの変更などを行った“ジェネレーション3”というユニットである。

 室内に乗り込み、センターコンソール上のノブを捻ってエンジンを始動する。既存モデルとの違いを実感させられるのが、通常の金属的なスターター音が耳に届かないこと。“プルン”と静かに滑らかにエンジンに火が入る。これは、スタータージェネレーターの持ち主ならでは。この動作は、アイドリングストップ状態からの復帰時にも繰り返される。

 一方、トヨタ車に代表されるストロングハイブリッドに慣れたユーザーからは「ちょっと予想とは違う」と指摘される可能性がありそうなのが、電動感が希薄な点だ。

 ブレーキペダルから足を離した瞬間にエンジンは例外なく始動をするし、走行モードの選択によっては、アイドリング運転の“コースティング”状態にはなるが、走行中にエンジンは停止しない。チャンスがあればエンジンを止めるアウディの48Vシステムほど技術的には凝っていない。

 減速時の回生エネルギーを効率よく回収することを主目的に、ブレーキシステムはバイワイヤ方式を採用した。これはボルボが“ツインエンジン”と表現するプラグインハイブリッドモデルと同じだ。

 複雑な制御を行うだけに、同類のシステムを備えたモデルの中には、ペダルフィールに違和感を抱くケースもある。XC60・B5の完成度はどうかと心配したが、杞憂だった。何も知らなければ“普通のブレーキ”と受け取るに違いない。それほど、自然なフィーリングを実現していた。