国が見捨てられると通貨は安くなるが
円に関しては高くなる

 2009年8月30日、衆議院選挙で勝利した民主党は、安定多数の308議席を確保して圧勝し政権を取って以来、「事業仕分け」による公共投資抑制と人への投資などを推進したが、金融財政面ではズブシロであった。

 普天間基地移設での失態(当時の鳩山由紀夫首相の「トラストミー」発言で、米国からも信頼を失った)、東日本大震災や原発事故などの不運も重なり、ドル円レートは急降下、実に76円台まで円高が進んだ。

 企業業績は極端に悪化し倒産増加、雇用は増えず、消費は落ち込む。その結果の株価だといえる。ここでは、民主党政権以降のドル円レートを見てみる。

 普通は、国が見捨てられると通貨は安くなるが、円に関しては高くなる。不思議だが、「経済ルールの例外」として意識しておきたい。

 2012年12月26日安倍政権発足。すぐに年末年始を迎えたが、正月の特番はアベノミクス一色だった。これは民主党政権で進んだデフレからの脱却を優先課題に、(1)金融政策、(2)財政政策、(3)民間投資という「3本の矢」による成長戦略であったが、デフレから完全には脱却していないものの、経済的には成功したと思う。

 円安効果による輸出産業復活で利益を取り戻し、2018年上場企業は戦後最高益を達成した。

 日本企業の稼ぎが、アベノミクスでどうなったか、日経平均1株当たり利益で見てみよう。

 日本企業の稼ぐ力(1株当たりの利益、EPS)は、大きく成長した。間違いなくアベノミクス効果だ。ちなみに、2020年の利益暴落は、新型コロナウイルスによる経済停滞の影響だから、経済政策とは別として考えたい。