米国株式市場はこれまで、テクノロジー銘柄主導で力強い上昇を遂げてきた。だが、先週はレーバーデーの連休を控えて乱高下し、市場の健全性について投資家の不安が高まっている。ナスダック総合指数は先週2日に最高値を更新した後、3日と4日の2営業日で6%超値下がりした。米上場企業で時価総額トップのアップルが3日に1日の時価総額減少幅としては過去最大の下げを演じたことが響いた。翌4日にも売り圧力が強まり、ナスダック指数は最高値からの下げ幅が一時10%近くに達し、原油や金市場にも売りが広がったが、その後は急速に値を戻す波乱の展開となった。ナスダック指数は今年になって終値ベースで最高値を43回更新し、S&P500指数は年初来で6%以上上昇している。だが先週後半の乱高下について、上昇トレンドが幕を閉じる兆しではないかと懸念している投資家は少ない。米経済の回復の兆しが続き、金利が過去最低水準にある中、米主要企業の株式を購入する以外に選択肢はないという考えに大きな変化は見られない。テクノロジー銘柄を押し上げてきた原動力---多くの労働者や学生がリモート勤務(学習)を強いられていることを追い風とした力強い成長---も、依然として健在だと考えられている。