コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
 ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
 発売2ヵ月で13万部を突破した、樺沢紫苑氏による最新作ストレスフリー超大全』では、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。
「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る――。

「脳のスイッチ」を入れる方法

「仕事がなかなかはじめられません」「机には向かったものの、勉強がはじめられません」と悩む人は非常に多いです。机に向かってダラダラと時間がすぎてしまうことは、誰しも経験があるでしょう。

やる気の「スイッチ」をポチッと押して瞬時に仕事や勉強をスタートできれば、どんなに楽でしょうか。実は、脳に「やる気のスイッチ」があります。しかし、脳の「やる気のスイッチ」を、「オン」にするには少し時間がかかるのです。

脳の「やる気のスイッチ」は、「側坐核」という部分にあります。「側坐核」に「ある程度の強さ」の刺激を与えると活動をはじめ、「やる気物質」であるドーパミンの分泌が促され、そこから「やる気」が湧いてきます。

リモートワークでも簡単に「集中できる方法」Photo: Adobe Stock

では、「側坐核」を興奮させるにはどうしたらいいのでしょう。それは、仕事(勉強)をはじめてしまうことです

そう言うと、「いやいや、仕事(勉強)をはじめる方法を知りたいのに、おかしいだろう」と反論がきそうです。しかし、「側坐核は即座に興奮しない」のが脳の仕組みなのです。

何か簡単な作業でいいので、脳を使いはじめて軽く興奮させると、自動車の暖機運転のように、脳が少しずつ温まってきて、5分ほどすると、ようやく「本気」を出しはじめるのです。

「このポーズ」で脳をダマせ

おすすめの方法は、仁王立ちになってから、両手を上にあげてガッツポーズをし、「今から仕事をはじめるぞ。うぉー!」と叫んでください。大声で絶叫するほど効果があります。

実際にやってみればわかりますが、絶叫すると勝手にテンションが上がり、やる気が出てきます。これは、世界ナンバーワンのカリスマコーチのアンソニー・ロビンズもよく使う手法です。大声で叫ぶことによってアドレナリンが分泌されます。アドレナリンが脳を覚醒増強するのです。

ボディランゲージの研究者であるハーバード大学のアミィ・カディ教授は、パワーポーズをとるだけで、テストステロンが増加し、ストレスホルモンが低下し、やる気がアップすると報告しています。

テストステロンは、やる気、意欲、チャレンジに関連したホルモンです。大声を出せない場合は、パワーポーズを1分間とるだけでも、やる気アップの効果が得られるのです。ぜひ、やってみてください。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

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