シリーズものと新作と、
さらに旺盛に、意欲的に書き続けたい

「半沢直樹」原作者、作家の池井戸潤氏

――人間力をつけた半沢が、次にどんな活躍を見せるか。新作を上梓したばかりですが、シリーズは今後どう展開をするのでしょうか。

池井戸 さすがにまだ次の構想はありません(笑)。が、いろいろ考えられるとは思います。

 実はこの『アルルカンと道化師』は、コロナ禍でゴルフなどのイベントが全部飛んだ中、ものすごく仕事がはかどって超特急で書き上げたんです。だから作家としては、前の日常に戻さないように、すぐ次を書きたい。すでに『民王』の続編に取り掛かっていますが、誰もが知っているシリーズものを一編書いたら次はまったくの新作をというふうに、交互に書いていけたらと思っています。

――そのためには、何が必要ですか?

池井戸 圧倒的に、執筆にかける時間ですね。そのために何を削るかといったら、まずはゴルフ。たとえば週1回、年間50日行っていたとしたら、それをまるまる削るか、週1を月1にするだけで、プラス1冊書けると思います。これをまず、確保します。

――お好きなゴルフですが、よろしいんですか?

池井戸 最近、ふがいないゴルフ続きで、行くたびにストレスが溜まってしょうがないので、いいんです(笑)。それに引き換え、小説を書いているぶんには、楽しいばっかりで何のストレスもない。「次、どうしようかな」って、常に本を読んでいるような感覚で楽しめるわけですから、精神衛生上はずっといいですよ。

――続編も楽しみですが、まったくの新作にも興味が湧きます。

池井戸 皆さんが待ってくださっているものは、すでに知っている世界。でも、僕の頭の中に入っていて、皆さんがまだ知らない、「こういうの、面白いと思うんだけどな」というアイデアが、まだまだたくさんあるんです。新しい挑戦ができるものなのか、オリジナリティーが出せるのか、小説にするまでにはいろいろとハードルをクリアしなければなりませんが、少なくとも作家としてはコロナを機に、さらに意欲的に取り組んでいきたいと思っています。