UCバークレーの「よりよい人生センター」

このような研究機関は、全米でもスタンフォード大学に限ったものではありません。

スタンフォード大学から車で1時間ほどのところにあるカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)には、「Greater Good Science Center」(以下、「よりよい人生センター」)があります。

私たちの人生に「Greater Good」、つまり「より大きなよいこと」をもたらすために、思いやりやエンパシー、その他の関連トピックを心理学、脳科学、社会学などの視点から科学的に研究する機関です。

こうした研究機関が誕生した背景には、20世紀末に誕生した「ポジティブ心理学」のトレンドがあります。

歴史的に心理学研究は、うつや不安、恐れや怒りといった人間のネガティブな感情にフォーカスしてきました。

しかし20世紀末になって、従来の心理学では研究されてこなかった、喜び、幸せ、感謝、親切、思いやりなどのポジティブな感情が注目されるようになります。

そうした流れは「ポジティブ心理学」と呼ばれ、現在では心理学の一分野として様々な知見を生み出してきました。

新たなトレーニング法やセラピーなどの開発も進んでいます。

本書でも紹介する「幸せの科学」はこうした流れから生まれました。

思想史的には、「幸福とは何か」ということが、国や文明圏を問わず古代から考えられてきたわけですが、幸せを科学的な方法で研究していくのが「幸せの科学」です。

星 友啓(Tomohiro Hoshi)
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書。
【著者公式サイト】(最新情報やブログを配信中)
https://tomohirohoshi.com/