UCバークレーの「よりよい人生センター」

このような研究機関は、全米でもスタンフォード大学に限ったものではありません。

スタンフォード大学から車で1時間ほどのところにあるカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)には、「Greater Good Science Center」(以下、「よりよい人生センター」)があります。

私たちの人生に「Greater Good」、つまり「より大きなよいこと」をもたらすために、思いやりやエンパシー、その他の関連トピックを心理学、脳科学、社会学などの視点から科学的に研究する機関です。

こうした研究機関が誕生した背景には、20世紀末に誕生した「ポジティブ心理学」のトレンドがあります。

歴史的に心理学研究は、うつや不安、恐れや怒りといった人間のネガティブな感情にフォーカスしてきました。

しかし20世紀末になって、従来の心理学では研究されてこなかった、喜び、幸せ、感謝、親切、思いやりなどのポジティブな感情が注目されるようになります。

そうした流れは「ポジティブ心理学」と呼ばれ、現在では心理学の一分野として様々な知見を生み出してきました。

新たなトレーニング法やセラピーなどの開発も進んでいます。

本書でも紹介する「幸せの科学」はこうした流れから生まれました。

思想史的には、「幸福とは何か」ということが、国や文明圏を問わず古代から考えられてきたわけですが、幸せを科学的な方法で研究していくのが「幸せの科学」です。