コロナ禍でわかったストレスに「強い人」と「弱い人」、その決定的な違いとは?

 失業、貧困、うつ病、離婚……。長引くコロナ禍で先の見通しが立たず、ネガティブな情報があふれる中、メンタルを保つだけで精いっぱいという人も多いのではないだろうか。
 特に危ないのは、インターネットの世界。SNSや匿名掲示板には、攻撃や非難、差別的発言や誹謗中傷が後を絶たず、うっかり目にしてしまうと気持ちがマイナスに傾いてしまう。
 そんなときに真っ先に探すのが、一瞬で不安を吹き飛ばしてくれるゲイの精神科医Tomy先生の神ツイートだ。
 たとえば最近、救われたのはこの言葉。
 人生辛い時期もあるわ。
 でもそれは筋トレみたいなもので、
 なんとかやり過ごせばアナタの魅力があがる。
 考え方を変えればボーナスステージでもあるのよ。

 それにしても、前代未聞の非常事態ともいえるコロナ禍を「ボーナスステージ」にたとえるなんて、どんだけポジティブ? Tomy先生って、いったいどんな人なの?
 そこで、今までの神ツイートをまとめた精神安定剤のような『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』も人気のTomy先生にインタビュー。メンタル強者と弱者の違いについて聞いてみた。(取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)

非常事態になると人間の本性が現れるのよ

――長引くコロナ禍でみんなストレスが溜まっていて、ネガティブな言動に走る人が増えました。私も、コロナの恐怖と自粛生活のストレスを抱えながら仕事と子育てをやりくりしていた期間は、メンタル的に限界がこないか心配でした。

 そこで今日はTomy先生に、ストレスに負けて心が病まないようにするためのコツをお聞きしたいと思っています。まず最初に、ギスギス、ピリピリした人たちが増えている今の状況をどう見てらっしゃいますか?

精神科医Tomy コロナ、怖いですよね。私もビクビクしながら生活してます。こんな風に、誰も想像していなかったような非常事態になると人間の本性が現れるんですよね。すごく優しかった恋人でも、別れ話をすると豹変して攻撃的になることがあるでしょ? それと同じようなもので、究極的な状況に追い込まれた人間が、自分を抑えられなくなるのはよくあることなんです。

 でもそれって、人間として当たり前のこと。誰だって、良いところも悪いところもあるじゃない? 目に見えないウィルスが敵だとなおのこと。もともと臆病な人はより臆病になるし、神経質な人は過剰なほど神経質になっちゃう。怒りっぽい人は怒りが収まらなくなって、攻撃的な人は何でもかんでも攻撃してしまう。自分の身を守ろうとするあまり、普段は理性で隠していた嫌な面が、表に出て来てしまうんです。

 でも悪いのは全部ウィルスで、その人が悪いわけじゃないの。だから私も、「みんな大変な状況だから仕方ないわよね……」と同情するような気持ちで、ちょっと俯瞰して見ている感じですね。

コロナ禍でわかったストレスに「強い人」と「弱い人」、その決定的な違いとは?精神科医Tomy(せいしんかい・とみー)
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』が話題を呼び、たった半年ほどで13万フォロワー突破、さらに人気上昇中。覆面で雑誌、テレビ・ラジオ番組にも出演。舌鋒鋭いオネエキャラで斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく活動を続けている。著書に『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』がベストセラー中。