ゼロゼロ融資が機能
緊急の融資は一巡

 企業側の不安の背景には、今後の売り上げや利益の見通しだけでなく、外部からの資金調達についての不透明さもあることが想像に難くない。

 個別企業による違いはあるものの、調達時には、(1)政府関係金融機関や公的助成、(2)(民間の)預金取扱金融機関、(3)(同)ノンバンクの優先順位で向き合う姿が平均的と見込む。これらおのおのの現状を大まかに捉えてみたい。

 日本政策金融公庫が新型コロナウイルス感染症に特化した特別相談窓口を設置したのは1月29日であり、7月末までの累計融資申込件数は66万件を超える。同時点での融資決定件数は累計で60万件超に達し、金額も10兆円超となった[図表7]。業種別の融資実績等を公表していないため単純計算となるが、1件当たりの平均融資金額は約1672万円となり、先に挙げた飲食業の約2カ月分、小売業の30日弱分に該当する。

 時系列が4年ずれるが、中小企業庁の直近の発表値である2016年の中小企業数約357万社で除すと、日本政策金融機関への申し込み比率は約18.5%、決定比率も約16.9%を占める。近年の企業数の減少傾向を踏まえれば、現在の占有率がそれよりも高まっていることが想像に難くなく、前者については、中小企業総数の2割を超えているだろう。

 同公庫については、一時期、開店前の店舗に相談者・申込者の長蛇の列ができた様子が報じられたが、7月末時点付近の申込件数は、ピーク時の約15.8%まで収束している[図表8]。

 背景には、後述する預金取扱金融機関による“ゼロゼロ融資”の制度化・機能化などがあるものの、同公庫による資金繰り支援が一巡目の対応を終えた事態がうかがえる。