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企業内キャリアコンサルティングには、「働く人がイキイキと働くのに必要な機能」として企業からも大きな役割が期待されています。ウィズコロナ時代にどのような役割を発揮するのか、2019年10月に『企業内キャリアコンサルティング入門(ダイヤモンド社刊)を上梓した浅川正健氏が解説します。

「この人には話して大丈夫」
安心感を与えることが大事

 前回は、リモートワーク下での上司と部下のコミュニケーション術について、企業内キャリアコンサルティングの視点でお伝えしました。今回は、企業内キャリアコンサルタントが果たすべき役割について解説したいと思います。

 キャリアコンサルタントは、現場で生の声を聞き、気づきというフィードバックを行うことができる存在です。キャリアコンサルタントが2016年から国家資格になりました。オフィスや自宅、サテライトオフィスなど、働く場所が多様化したなか、個が安心して働ける環境が重要になってきました。個がイキイキと仕事をすることが組織の活性化につながります。キャリアコンサルタントはその橋渡しの役割を担い、経営に資する存在でもあります。

企業内キャリアコンサルティング入門』で紹介しましたが、キャリアコンサルタントには6つの機能があります。

1)アンテナ機能
2)相談機能
3)問題解決機能
4)連携機能
5)人材育成機能
6)提案機能

 リモートワーク時代に果たすべき役割について、みていきましょう。

1)アンテナ機能
 リモートワーク下こそ、経営者や人事部、管理職の任にある方が社員と話して、情報収集していただきたいのです。聴いているつもり、見ているつもりではだめです。部下が話しやすくなるような質問をしてみましょう。無意識に「自分が話すことに夢中になってしまった」、「相手の話をさえぎってしまった」、「相手の話を聞き流してしまった」ことはないでしょうか。

 キャリアコンサルタントは、「この人には話して大丈夫なんだ」と相手からの信頼関係を得たうえで、専門的スキルで個人の悩みや課題などを聞いていきます。それを、「その場」「その職掌」「その年代」に共通する問題に落とし込み、その会社の人事制度に絡めながら考えていきます。信頼関係があるから話してくれ、その結果、情報が集まり、アンテナ感知能力も上がります。

 アンテナの感度が高ければ、それだけ働く人にいい気づきを与えることができるでしょう。

 アンテナ機能を磨くことは、キャリアコンサルタントにとどまらず、経営者や管理職にも必要なことであることは言うまでもありません。それにはまず、「この人には話して大丈夫」という安心感と信頼関係を持つことが需要なのです。