他人の酒癖に
最も厳しい人とは

 日本にはかねて無礼講という習慣があり、会社での上下関係をなくして席次などに気を使わず、本音で語り合う場を設ける、という意味での飲み会は、少し前まではほぼ強制的に参加させられる類のものであった。

 体質によっては全く受け付けない酒を無理やり飲ませることや、仕事以外の場所で社員の時間を強制的に拘束すること、職場の女性を「飲み会の華」扱いすることなどへの抗議が一般の会社に広がったのはついここ10年の話だ。

 それでもまだ職場の歓送迎会や納会などの習慣はあるし、私自身は仕事仲間と飲み会をすることには何の抵抗もないが、自分の好きな友人や恋人以外の人と飲みの席で隣り合うことは多くの人が経験するものであろう。

 そしてそういう場所では、不本意に参加している者ほど人の酒癖に厳しくなる。

 裏を返せば、自分が言いだしっぺであるなど自分にストレスがない飲み会こそ、他者にストレスがかかっている場合が多いということだ。基本的にはその認識を持つことが第一の関門といえる。そして強制的に誘うことをなるべくなくせば、その場に死ぬほど目を光らせるようなストレスを抱えた人が少なくなることも意味する。

 かつてほどの荒々しい飲み会がなくなった今、人があまり体裁を気にせず飲む場所はキャバクラであることも多いので、その現場には、おそらくオジサンたちが外でかましている酒の失敗の極端例が転がっている。

 お触り禁止の店にもかかわらず脚や肩を触ってくるオジサンは多いし、職場や家では話さない下世話な話や下品な誘いをしてくるのが日常だし、鼻につくほど横柄な態度を取る人も目につく。

 キャバクラの席では相手の女性に時給が発生しているため、ある程度許容範囲が広いが、お酒の悪いのは習慣的に飲んでいると場所の使い分けが曖昧になることで、極端例から普段の飲み方を推察することはそう難しくない。いくつかのタイプとそれが齎(もたら)す危険や対策を考慮しておくと予防線は張りやすい。