営業に配属されたAは、課長の飲み会に誘われるが断ってしまう。その後、秘密裡に会議が行われたことを知ったAは、部長に「仲間外れにされている」と訴える。部長が課長に注意すると、怒った課長はAをランチ会で酔い潰す作戦に出た。翌日、Aが出社していないことに気づいた部長が課員に尋ねると、部長には報告されていない事実が…。(社会保険労務士 木村政美)
工業用部品を扱う専門商社。従業員数は約300名。本社の他に営業所が全国に8ヵ所ある。本社は営業が1課から5課まであり、その中でも1課の売り上げは全国で断トツの1位である。
<登場人物>
A:30歳。入社後、本社の総務部で働いていたが、本人の希望がかない、4月から営業1課に異動してきた。仕事熱心であるが、会社の人とプライベートな関係を持ちたくないと考えている。
B課長:45歳。営業1課メンバー8人の上司。3年前から現職。無類の酒好きであり、ほとんど毎日居酒屋に通っている。
C主任:35歳。Aの先輩で、直接業務指導を行っている。
D部長:B課長の上司で営業部長。50歳。
E社労士:甲社の顧問社労士。
飲み会の誘いを
即座に断ったら…
「Aと申します。営業の仕事は初めてなのでご指導をよろしくお願いいたします」
営業1課に自席を移したAは、早速B課長に着任の挨拶をした。すると、B課長は満面の笑みでAを歓迎した。
「こちらこそよろしく。Aさんは入社時から営業志望だったんだよね?」
「そうなんです。しかも売り上げが全国でダントツの1課で働けるなんて光栄です」