8月23日午前7時すぎ、香港の反政府派グループを乗せたスピードボードが小さな漁村を出発した。行き先は身の安全が保障された台湾。海上約640キロを密航するという危険を顧みない行動だった。ボートに乗っていった12人のうち1人を除く全員が香港の反政府デモに絡んで逮捕された経歴がある。容疑は広く適用されている暴動から、爆発物製造など、はるかに重い罪まで多岐にわたる。出航から約2時間後の午前9時頃、彼らは中国の海警局によって取り押さえられた。香港警察によると、香港の領海から約42キロ離れた場所だった。その反政府派グループはそれ以降、中国本土の拘置所で隔離され、「香港12」として知られるようになった。彼らが置かれた状況を受けて、「英国式の法の支配」と「本土の不透明な司法制度」がいかに異なるものであるのか、香港では改めて懸念が高まっている。昨年の市民デモに加え、中国当局が今夏、香港への導入を強行した「国家安全維持法(国安法)」への反対は、こうした懸念が原動力となっていた。
「香港12」を中国から救え、デモの機運再び
12人は8月下旬に海上で捕まり中国本土で隔離されている
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