場所・人・業態に縛られない
キッチンカーがトレンド

 さらに、居抜き物件の価値基準も変化している。

「中古の内装を買うというこれまでの発想(初期投資を抑えることが主な目的)から、今後はデータ資産・価値の取得が求められるようになるでしょう。データ資産・価値とは、過去の売り上げ情報や人の引き継ぎ、看板屋号の引き受け、食べログ点数、ミシュランの星を引き継ぐなどさまざまです。それら過去の情報や実績の価値を総合的に判断してお買い得であるという判断に至る物件が、最も需要の高い居抜き物件となります」

 売主にはこれらデータの提供や価値査定が求められるということになり、仲介するパートナー会社もそのような知識、認識が必要になる。

 では前述のように、居抜き物件が多く残ることが予想される居酒屋や牛丼店の空店舗に、新たな業種が入ることはあるのだろうか。

「基本的には以前の業種と同じものが入ることが多いです。居抜き物件のメリットは設備やインフラの初期投資を抑えることができる点ですから、同じ業種の方がその恩恵は受けやすい。もちろんケース・バイ・ケースなので一概にはいえませんが」

 飲食業界では、居抜き物件を借りて居を構えることが商売の主流であった。しかし、今後は特定の店舗を持たない事業者も増えるという。

「キッチンカー、フードトラックが増えると思います。初期投資や固定費、人件費も低くできますし、日によっては商品を変えられるため業態にも縛られません。もちろんテークアウトも可能です。郊外や過疎地域でも需要があり、根付く可能性も高いです」

 飲食業界では、コロナによる大きなパラダイムシフトが起こっているようだ。