シリコンバレーの流儀
日本企業にとって、演繹法と帰納法を使い分けることが、シリコンバレーのエコシステムに入り込むポイントだ Illustration:Hajime Ishizeki/AFLO

 シリコンバレーに派遣されている日本企業の駐在員は、地元のインキュベーション施設を訪問し、必死でスタートアップ企業の探索にいそしんでいる。中には、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)を立ち上げ、ベンチャー投資を行っている企業もある。

 それでも、シリコンバレーのエコシステムには、なかなか入り込めていない。残念ながら、多くの日本企業はいつまでも「外様」で、エコシステムの一員とは見られていない。

 その理由は日本企業特有の悪癖だ。漠然として目標が曖昧なまま情報収集や戦略パートナー探しをするのはよくある話で、運よくスタートアップ企業の幹部とコンタクトできても、日本の本社に決定権があるので、その場で投資や提携などの具体的な話ができないことも多い。CVCに至っては、本社から届いた膨大な質問をスタートアップ企業に投げる一方で、自社の意思決定には時間がかかる。

 こうしたことは過去30年間、散々指摘されてきたことだ。それにもかかわらず改善されないのは、日本企業に根本的な問題があるからだろう。