1月に破産した大沼
山形県の老舗百貨店である大沼は今年1月に破産した(撮影は東京商工リサーチ)

今年に入り、百貨店の経営破綻や閉店が相次いでいる。中でも深刻なのは地方都市で、山形県と徳島県はついに百貨店が1つもない「百貨店空白県」になった。だが、足元の百貨店の苦境は序章にすぎない。新型コロナによる業績への影響が深刻化する中、百貨店の閉店ラッシュがいよいよ本格化しそうだ。(東京商工リサーチ情報部 増田和史)

消費者の百貨店離れに
消費増税と暖冬がとどめ

 百貨店の閉店が加速している。2020年は1月に山形県の老舗百貨店、大沼が負債30億円を抱えて破産を申請したのを皮切りに、8月末までに全国で12店舗が閉店した。

 特に、春から夏にかけ、新潟三越、そごう・西武の地方4店舗、福島県の老舗百貨店・中合など、地域の有力10店舗の閉店が集中する異常事態で、百貨店の苦境をさらけ出した。

 折しも、コロナ禍で頼みの綱だったインバウンド需要が消失し、外出自粛や感染拡大防止に備えた臨時休業、時短営業が広がった時期だった。まさに、百貨店を頂点にした小売業の“冬の時代”を象徴する出来事でもあった。