損益が判明した69社では、黒字が36社、赤字が33社と拮抗した。黒字は前期の43社から7社減り、直近決算3期を比較しても赤字企業の比率が年々増えている。

 赤字や減益企業が増え、最新期の利益合計は前期比9割減と大幅に落ち込んだ。厳しい収益環境が続き、採算悪化は有効な手だてを打てない百貨店の業態そのものが抱える宿命かも知れない。

 売り上げトップは、近畿圏や首都圏を中心に全国展開する高島屋の7222億円で、3年連続。

 2位は大丸松坂屋百貨店(6561億円)、3位はセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武(6001億円)と続き、上位には持ち株会社の下に経営統合した全国展開の大手百貨店グループや東京、大阪の電鉄系の百貨店が並んだ(業績はいずれも単体ベース)。

 トップ10に加え、11位の岩田屋三越(売上高1085億円)までの11社が、売上高1000億円を超えた。

 売り上げトップ20社のうち、増収はジェイアール東海高島屋と井筒屋の2社のみ。9割が前期売り上げを下回った。ジェイアール東海高島屋は名古屋駅直結という地の利を生かし、名古屋圏内の既存百貨店の低迷とは対照的に来店客増など好調を維持した。井筒屋は新規ブランドの導入に加え、2019年2月に閉店した関連会社、コレットからの移設分が増収に寄与した。

閉店が相次ぐ地場百貨店
再編を阻む2つの壁

 一方で、深刻さがより際立つのが、大手百貨店などの流通グループや大手私鉄が親会社を除いた、いわゆる「地場独立系」の百貨店(以下、地場百貨店)だ。

 地場百貨店31社の最新期の売上高合計は、8081億円(前期比2.9%減、242億円減)で、増収はわずか5社にとどまり、26社が減収だった。

 純利益の合計は▲25億円(前期▲93億円)で、改善したとはいえ2期連続の赤字から抜け出せなかった。企業別では黒字が16社、赤字が15社と、ほぼ半数に達した。

 地場百貨店31社の売上合計は8081億円で、1社平均260億円にとどまる。地場百貨店がまとまっても、業界首位の高島屋1社分の売上高(7222億円)を1割程度上回るにすぎない。