米民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーのブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO、39)は5月、ようやく事業の一部で生命の兆しが見え始めたことに気づいた。新型コロナウイルスの影響で一時は破綻の危機にひんし、苦闘の日々が続いていた。都市生活者は、飛行機で移動する必要のない近隣の町や都市にある宿泊施設を探し始めていた。家をまるごと借りることを希望する人も多かった。つまり、ホテルや共有スペースを敬遠する旅行者が、エアビーの収益源になり得るということだ。チェスキー氏は直ちに戦略を転換。観光客に人気の大都市がエアビーの強みだったが、今度は地元滞在型の客に照準を合わせることにした。同社は6月までにウェブサイトやアプリを見直し、旅行客に自宅から程近い宿泊先を紹介するアルゴリズムを構築した。