ドイツ・マーシャル基金(GMF)は、ワシントンを本拠とする影響力のあるシンクタンクだ。その名は、ジョージ・マーシャル米国務長官(当時)が1948年に打ち出した欧州の共産主義化を防ぐ計画(マーシャル・プラン)に由来する。そのGMFが2020年に、保守派寄りメディアのニュースに対する政治的抑圧を支持し、これらメディアに代わるものとして公共放送を推奨したのは、何と恥ずべきことだろうか。GMFは今週、「デジタル・ニュー・ディールによる新たな調査によると、虚偽情報の提供者によるフェイスブック上でのかかわり度合いは2016年大統領選挙直前よりも今のほうが大きい」と題する報告を公表した。2016年の選挙での敗北の理由として左派勢力が執着したスケープゴートの1つがフェイスブックだったことを思い起こすべきだ。各種団体や活動家は今年、ソーシャルメディア最大手のフェイスブックに対して、コンテンツへの検閲を強めるよう求め、メディアを通じてボイコットを含むキャンペーンを展開している。ニューヨーク・タイムズやニュースメディアのアクシオスを通じて拡散されたこのGMFの報告は、その真の狙いが何なのかを知るために精査する必要がある。
【社説】フェイスブック上の保守派に迫る危機
フェイクニュースへの懸念がいかに検閲の助長に利用され得るか
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