新型コロナウイルスの感染拡大という「予期せぬ惨事」で流通の現場では何が起こっているのか――。スーパーは黙っていても売れるから安売りをせず、「Go Toトラベルキャンペーン」に便乗したホテル、旅館の値上げも発生している。コロナ禍で利用者の顔色をうかがう商売がいかに多いかを見てみた。(流通ジャーナリスト 森山真二)
Go Toトラベル期間中
価格が上昇した旅館
先日、Go Toトラベルの恩恵に預かろうと旅行検索サイトで旅館を探していたら、過去何度か泊まった箱根の旅館が目についた。たまには泊まってみるかとページを見てみたら驚いた。
なんと過去宿泊した部屋に、1泊4万円近い価格が設定されているではないか(私が泊まったときには2万8000円だった)。Go Toトラベルを使い35%引きでも2万数千円という価格だ。
これでは過去に泊まった際の価格とあまり変わらないではないか。事前に高い価格を設定したのではないかと思っていたら、あるホテル業界関係者は「そうしたことはよくあることです」という。
つまり、宿泊者が集中する日は価格が上がるというのだ。そういわれてみればビジネスホテルなどの価格は、安い日もあれば高い日もある。